妄想の力について考える。

「捕らぬ狸の皮算用

 

手に入るかどうか分からないものを当てにして計画を立てることを言うことわざですが、ポジティブにもネガティブにも使えるなあと考えていました。

 

基本的にはポジティブなことを期待している、といったニュアンスで使われていますよね。

 

ネガティブな意味では主に「杞憂」とか、「取り越し苦労」といったところでしょうか。

 

もしも私が今の職場で我慢ならないことが起きたとしたら。

更にそれが絶対に変えられない、職場のルールのようなものが関わっていた時、私の脳裏には心を殺して働き続ける転職先を探すかの選択肢が出てくると思います。

 

日本の文化に揉まれながら生きてきた感覚だけで言えば「心を殺して働き続ける」方を選ぶのは当然です。

 

ただ今日は、こういう状況で転職することを選んだ場合について考えてみます。

 

 

まずはネガティブさんのパターンです。

 

今より良い職場が見つかる保障なんて誰もしてくれない。

 

社風は?

給与は?

福利厚生は?

人間関係は?

 

どれをとっても良いと思える会社を見つけ出せるだろうか?

そもそも自分が転職しようと思っていることを、今の職場の人間はどう思うだろうか?

バレてもバレなくても面倒くさいからもう仕事を辞めたい。

 

 

まだ入社することも決まってない会社の情報を調べては答えの出ないことをぐるぐると考える。

杞憂と呼べるほどふんわりした悩みではありませんよね。

だって自分の人生の舵をどう切っていくかの問題ですから。

 

ただこの状態では中々良いと思える会社探しは難しそうです。

 

次にポジティブさんが考えた場合どうなるでしょう。

ちょっと普段は出さないポジティブを捻り出してみますのでお付き合いください。

 

 

今の会社で勉強できることはもう無いかも。

社風も自分に合わないし、転職先を探そう。

次の会社は今より給料の高いところにしよう。

その中でも年間休日が125日以上であればとりあえず未経験でも応募してみよう。

 

どこかに引っかかればいいなー。

 

 

どうでしょうか?

実際ネガティブさんとポジティブさんの皮算用ではこれほど気持ちの重さに差が有ると思います。

 

もちろんどちらもまだ見ぬ転職先の内情など知るはずもありませんので、言ってしまえばどちらもただの妄想なんです。

 

なんなら今この瞬間、自分に起きていないことは過去や未来にかかわらず、全てが自分の脳で渦巻く妄想だと言えます。

 

どちらが自分の気持ちが楽かで考えたら断然後者のポジティブさん、という事になるかと思います。

 

 

こう考えれば楽だと分かっていても「自分には難しい」という気持ちがあるのは重々分かります。

私も、私自身を簡単に許せる性格ではないからです。

 

私が気をつけていることなのですが、そういう方はまず、毎日自分を褒めるようにしてみると良いかも知れません。

何か特別なことをして褒めるのではなく、自分が「出来てごく当たり前のこと」で自分を褒めるんです。

 

切らしていた日用品を買ってきたとか、今日も怪我無く家まで帰ってこれたとかでいいんです。

 

なんなら自分の頭を撫でながら、

「~出来た!自分えらいー」

と口にしてみてください。

 

「自分はえらい」

「自分はできる」

 

口にして耳で聞くことで更に自分の脳に刻まれていきます。

 

 

自己肯定感は他人を巻き込まなければどれ程高くてもいいですからね。

 

「我こそは生粋のネガティブさん」という方も、こつこつと一歩一歩でも、ものすごくゆっくりでも、一緒にポジティブな妄想をしていけるようになりましょう。